コロナ禍の長い自粛生活を経て、私たち夫婦は「非日常」をテーマにした旅行を計画しました。選んだのは、かねてから憧れていたヨーロッパのクルーズ旅行。美しい景色と豊かな文化、そして何より二人だけの特別な時間を楽しむことを目的に、この旅に出ることにしました。
旅の出発地はイタリアのベネチア。運河の街として名高いこの場所は、出航前から旅の期待を大いに高めてくれました。ゴンドラに乗って街を巡り、地元のカフェでカプチーノを飲みながら、これから始まる船旅について語り合いました。夕方、いよいよ大型客船に乗り込むと、そこには壮大な非日常が広がっていました。シャンデリアが輝くエントランスホール、開放的なデッキ、洗練されたレストラン。すべてが私たちを歓迎してくれているようでした。
キャビンに荷物を置いてから、デッキに出て出航を見送りました。夕陽が海に溶けていく様子はまさに絶景。手をつないでその光景を眺めながら、「この旅が二人にとって忘れられないものになる」と確信しました。
最初の寄港地はギリシャのサントリーニ島。真っ白な建物と青いドームのコントラストが、絵画のように美しい風景を作り出していました。ローカルガイドに案内されながら街を歩き、写真を撮り、時にはカフェで一休み。どこに行っても目を奪われる景色が広がっていました。特に印象に残ったのは、夕方に訪れた断崖の上からのサンセット。オレンジ色に染まる空と海を背景に、夫婦で記念撮影をしました。この瞬間、コロナ禍の疲れや不安が一瞬で消え去った気がしました。
次に訪れたのはクロアチアのドブロブニク。中世の雰囲気が色濃く残る城壁の街を散策しました。石畳の道を歩きながら、歴史の重みを感じる建物や教会を眺めました。途中で立ち寄った市場では、地元産のオリーブやワインを購入。船に戻ってからも、これらを部屋で楽しむという贅沢なひとときを過ごしました。
船内の時間も忘れられない思い出となりました。夫婦向けの特別ワークショップに参加し、お互いの価値観やこれまでの思い出について深く話し合う機会を得ました。結婚生活の中ではなかなかこうした対話の時間を持つことが難しいですが、この旅のおかげで新たな絆を築けたように感じました。
また、夜には豪華なシアターでのショーを楽しむことも旅の大きな魅力でした。プロのパフォーマンスを間近で観られるだけでなく、ショーの後に海を眺めながらカクテルを楽しむ時間は、この上ない贅沢でした。
最終日、船上の最前列で朝日を迎えながら「また次の旅もクルーズにしよう」と夫婦で誓いました。この旅は単なる観光以上のものを私たちにもたらしてくれました。それは、日常の中では気づきにくい「お互いの大切さ」や「共に過ごす時間の価値」を再確認できる時間でした。
ヨーロッパクルーズは私たち夫婦にとって、ただの旅行ではなく、人生の新たなページを開くきっかけとなりました。また次の記念日に、新しい目的地へとクルーズ旅行を楽しむことを今から計画しています。
コメントを残す